使い方ガイド ⑤

⑤ ラベルを付ける(アノテーション)

心拍を1つずつ「正常・心室期外収縮…」のように分類したり、イベントに印を付けたりする作業です。AI が下書きを付けてくれるので、あなたは確認と修正が中心。マウスを使わず、キーボードだけで高速に進められます。

どんな時に使う?

「不整脈の頻度を数える」「特定の波形イベントを見つける」など、人の判断でラベルを付けたデータが必要なときに使います。付けたラベルは、あとで特徴量・検定・モデルの材料になります。

🏷️臨床アノテータ(ラベルを付ける) 🩺上級者(食い違いを裁定する)

ステップ1:キャンペーンを作る

まず「何を・どのデータに・どうラベル付けするか」を決めます。AI に下書きを付けさせる設定にしておくのがおすすめです。

新しいラベルセット(AnnotationSet)
名前beat_labels_rater1
種類拍(Beat) / 基準: MIT-BIH
AI 下書き◉ まず全部の拍に AI が提案を置く
出す順番◉ 自信が低い拍から優先して表示

作成すると、AI が全部の拍に下書きラベルを付けます(例: 182万拍)。その後、お手本の50拍であなたの判定基準が合っているか確認(キャリブレーション)してから、本番のキューが始まります。

ステップ2:キーボードでラベル付け

左に「次に見るべき拍」のキュー、右にその拍の波形(前後±5秒つき)が出ます。キーを1つ押すだけでラベルが付き、Enter で次へ進みます。

Annotation Studio(拍モード)

▶ #2451 自信 0.41 AI提案: VEB

#2452 自信 0.62 AI提案: N(正常)

波形 ±5秒 ───┐ ┌─┐ ┌────   R: 12:03.4

進捗 1,240 / 1,820 / 一致度 κ = 0.82

キー: N=正常 S=SVEB V=VEB Enter=次へ

速さの秘密: AI の提案が正しければ、Enter を押すだけで確認完了。多くの拍が「1キー押すだけ」で進みます。前後±5秒の波形がいつも隣にあるので、孤立した拍でも文脈で判断できます。1拍あたり1〜2秒、2万拍でも1〜2時間で終わります。

ステップ3:複数人で付けて、食い違いを裁定する

2人が別々にラベル付けしたら、結果を並べて食い違った拍だけを確認できます。一致度(κ係数)も自動計算されます。

不一致の拍だけ表示(80件)
#1023担当A=正常 担当B=SVEB
#1247担当A=VEB 担当B=正常

裁定した結果は「合意版(consensus)」として保存されます。

ステップ4:凍結して、分析に使う

全部チェックし終えたら [凍結] します。凍結すると中身が固定され、はじめて特徴量・検定・モデルの材料として使えるようになります。

全拍チェック完了
🧊
凍結中身を固定
🧮
分析で参照特徴量・モデルへ

🧊 凍結は安全のための仕組みです。 凍結していないラベルは「まだ変わるかもしれない」ので、検定やモデルに使おうとすると警告が出ます。確定したものだけが結論の材料になります。

つまずきやすいポイント

困りごと解決策
「何千拍も見るのは無理」AI が自信のない拍だけを優先的に出します。残りは AI の提案で埋まるので、人が見る数を1/10ほどに減らせます。
「基準がブレてないか不安」別の人の結果と並べて、食い違う拍だけを表示できます。一致度(κ係数)も常に見えます。
「他の人と同じ拍を編集して衝突」拍ごとにロックがかかるので、二人が同じ拍を同時に編集することはありません。
「凍結を解除したい」凍結の解除は管理者だけができます(誤って確定データを壊さないため)。

次のステップ

⑥ モデルを作る →付けたラベルを「正解」として、予測モデルを学習させます。